☆平成12年度第1回ベストスイマー表彰式・懇親パーティー開催!☆


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向かって左から石灰てつ子氏、菅野勝之氏、岡田太郎氏、橋田壽賀子氏、大江健三郎氏

去る7月16日(日)、東京港区・ホテル オークラにおいて、(社)日本スイミングクラブ協会主催・泳力認定委員会管轄で「平成12年度第1回ベストスイマー表彰式・懇親パーティー」を開催しました。協会理事・役員・加盟登録クラブ・賛助会員総勢190名、報道関係16社45が参集、華やかで、盛大な式典となりました。


水泳を普及し健康づくりを目的に邁進
 泳力認定委員会北陸支部委員長室岡隆之氏の総合司会で始まった「平成12年度第1回ベストスイマー表彰式」。
 挨拶に立った正村会長は「当協会は、昭和43年スイミングクラブ協議会を発祥とし、54年に協会と改称、64年文部省体育局生涯スポーツ課所轄で社団法人となりました。以来小児から高齢者まで広く国民に水泳を普及し、健康づくりを広めようという目的の基歩んで参りました。水泳・アクアフィットネスは骨や心臓機能、循環器系統を強くしてくれる健康によいスポーツとして周知されたと思います。今回は著名で立派な実績を残されている方の中で水泳を愛好している三氏とゴールドマスターズスイマー称号付与者で最長距離を泳がれた方二氏をベストスイマーとして表彰させて頂きます」旨の挨拶がありました。続いて目黒伸良泳力認定委員長から「水泳は競技性の高いスポーツで、ともすれば速いことに価値があると思われがちですが、我々は各々の体力と泳力に合わせて目的を持って泳ぐことにも、世界記録を出すことと同じような価値があると考えております。社会的影響力のある方で、定期的に泳ぐことを実践し水泳の発展と普及に貢献された方と、ゴールドマスターズスイマー称号付与者の最長距離を泳がれた方を選ばさせて頂きました。」の、主旨説明がありました。

ユーモアあふれる受賞者紹介に沸く会場
 その後、室岡氏からミミスイミングクラブ代表・木原光知子氏に司会が代わり受賞者の発表に移りました。
 木原氏は各受賞者の方々をユーモアを交えて次のように紹介されました。
 ミハタスイミングクラブの石灰てつ子さんには、「124万4630mと平成11年度ゴールドマスターズスイマー称号付与者女性の部で一番長く泳がれました。新幹線で言いますと、東京から博多まで折り返して小倉まで戻ってくる距離に相当するそうです。1日に3400m泳いだ計算です。私達が選手だった頃の選手なみの距離です」。
 秋田アスレティッククラブの菅野勝之さんには「男性の部で84万m泳がれました。新幹線で言いますと、東京からの三原までの距離だそうです」。
 女優の吉永小百合さんは撮影のためご都合がつかず、ご夫君でM共同テレビジョン代表取締役会長岡田太郎さんが代理としてご出席下さいました。「吉永さんは1年間に365km泳がれています。昨年CMでバタフライで泳いでいる吉永さんが放映されて以来、各スイミングクラブではバタフライをやりたいという人が増えたそうです」。
 脚本家の橋田壽賀子さんには、「泳ぐことは脚本を書く活力となる。1年間レギュラーで脚本を書くには体力がいる、体力しかない、その体力は水泳のおかげだと常々TVやラジオで話していらっしゃいます」。
 作家の大江健三郎さんには、「昭和45年にオープンした東京アスレティッククラブに昭和47年に入会されました。日本ではまだ数少なかったスポーツクラブで、しかも水泳を中心にトレーニングされたということです。お忙しい執筆活動の合間にスイミングライフをエンジョイされて、著書の『静かな生活』には水泳が取上げられています」と、それぞれご紹介しました。

正村会長から表彰状・記念品授与
 その後、正村会長から各受賞者に表彰状と記念品が授与されました。引続き、名誉水泳十段位の授与式に移りました。名誉水泳十段位とは本協会が主催、認定をしている水泳十段位に名誉の冠を付けたもので、水泳の発展、普及に貢献した方に贈られ、「水泳名人」の称号が与えられます。吉永小百合、橋田壽賀子、大江健三郎の三氏に贈られました。
 受賞者インタビューでは、ウィットに富んだ橋田、大江氏のコメントに会場は笑いに包まれました。
 そして、受賞者、協会理事の方々による記念撮影が行われたあと、懇親パーティーに移りました。

大江氏の乾杯の音頭で懇親パーティー開催
 大江氏は「この6月にハーバード大学から名誉文学博士号を頂いた時、小澤征爾さんも一緒でとても誇らしい気持ちでした。今日は橋田壽賀子さん、吉永小百合さんとご一緒に受賞できたことを晴れがましく思います。私のような人間が30年水泳をしてきたと言っても日本の水泳界のために意味があるかというと全くなく、私自身のためにはとても深い意味のあることです。今は水泳をして、本を読んで小説を書くことが私の人生になっております。25mのコースを単純に往復して泳ぐことは、時間をかけて小説を書いていて今現在の細かな部分をどうしようかという時に役にたちます。小説の最後を考えている時に人に話し掛けられることが嫌なのですが、その時は水に潜ればよろしいわけですから。(笑い)今後も仕事をして健康を保って最後には、人に迷惑をかけることが少ない場所で水に沈んで一生を終えることが私の夢です。(笑い)あまり乾杯の言葉にふさわしくない挨拶ですが、最後に日本スイミングクラブの発展をお祈りします」のユーモアに満ち溢れた挨拶と乾杯の音頭で始まった懇親パーティーは、終始和やかな雰囲気に包まれました。
 受賞者の「健康のために泳いで、賞を頂けるなんて嬉しい」この言葉こそ、ベストスイマー表彰式の真髄と言えないでしょうか。三氏と記念撮影の収まる方々、サインを頂く方々。歓談の輪が出来、料理に舌鼓を打ち、終始笑顔に満ち溢れた式典は、華やかな余韻を残し幕を閉じました。

 
「とても楽しいスポーツクラブです。毎日通っていますが、水泳をしてもエアロビクスをしても何をしてもとっても楽しいです」と石灰てつ子氏
「昭和47、8年頃から週1〜2回泳いでいます。健康のために泳いでいて、賞を頂けたのでとても嬉しい」と菅野勝之氏
「素晴らしい賞を頂いてとてもとても嬉しいです。撮影のため授賞式に出席出来ず残念です。ずっとずっとスイミングを続けていきたいと思います」と吉永小百合さんのメッセージを読み上げる岡田太郎氏
「賞とか勲章は大嫌いなんだけど、これは嬉しいですね。初めて25mを泳げた時は、入学や入社した時より、嬉しかったですね。別の世界が開けた感じがしました。足が痛くて動けなかったとき医者に泳ぎを勧められ、ミミさんが一生懸命教えて下さり、夢中で覚えました」と橋田壽賀子氏
「私も賞と言うのは苦手ですね。クロール始め何でも泳ぎますよ。『宙返り』という小説を発表したんですが、仏語訳のタイトルには意味が2つあり、1つはオリンピックで正式に使われているクイックターン、あと1つは危険なことをする馬鹿という意味なんですね」と大江健三郎氏


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