ご挨拶

会長

一般社団法人 日本スイミングクラブ協会
会 長   岡 本  實


 昭和40年から日本国内でスイミングクラブ事業が始まり、約半世紀になります。巷ではスイミングクラブを知らない人はいませんが、「日本スイミングクラブ協会」を知らない人は沢山おります。この協会名を、いかにして一般の人に知らしめるかが大切です。それは、スイミングクラブが果たす社会的役割の広報活動であるとともに、全国のクラブが協会に加盟する大きなメリットであると考えます。
  振り返れば、スイミングクラブの組織として「協議会」が誕生したのは昭和43年のことでした。当初は経営者の情報連絡網をより広げることに取り組みました。昭和54年、将来の法人化を目指すために「協会」へ改組し、経営者の勉強会や指導者の研修会への取り組みが本格化しました。その後、協会組織は昭和62年に「社団法人」となり、人財育成への取り組みをより鮮明に打ち出しました。各種講習会・研修会が年間スケジュールとして組み込まれ、基礎的技術・知識の習得から専門的な高度な研修の場として定着しています。そして国の公益法人制度改革に伴い、平成24年に一般社団法人へ移行した現在まで、当協会は常にスイミングクラブ事業の後押しをしてまいりました。
  しかしながら、これまで協会は加盟クラブへの情報伝達には取り組んできたものの、世間一般に対する「広報」にあまり目を向けてきませんでした。個々のクラブが、経営の在り方や事業の改善に取り組むのは当然ですが、今後は業界全体が志向している「スイミングクラブ」の存在を明確に広報し、より広くその役割を世の中に伝える必要があると思っております。そのことが業界の社会的発展を促進し、個々のスイミングクラブの活性化を計ることとなり、牽いては未加盟クラブの入会促進に繋がることを願うものです。
  誤解をして頂きたくない点は、クラブの差別化を促進することが目的ではありません。願わくば全国のスイミングクラブが大同団結し、子供たちの成長の“応援団”としての産業を、常に質の高い理念と指導を保ちながら、未来永劫の産業として成長を続ける必要があるのです。更には、中高齢者の健康維持や増進の地域の拠点となるべく、業界全体が目標を定めて研鑽していかねばなりません。その組織としての「日本スイミングクラブ協会」の知名度を浸透させることによって、国・自治体・地域との連携を模索し事業の発展を目指すことこそが、当協会に課せられた使命であると考えます。