+ 実 技 +

(パート1)
 望むスピードを最小のエネルギー消費で泳ぐには、ストロークレイトとストロークの長さの最適なコンビネーションを見つける必要があります。個人差はありますが、最適なストロークレイトはある程度の範囲におさまります。テンポトレーナーという練習用装置(設定したテンポに合わせて音が出ます)を耳の横につけて使えば、最適なストロークレイトを効率よく見つけることができます。

(パート2)
 ストロークを改善するには実際に手の軌跡を見ることが大事です。そこでシュノーケルをつけて練習し、しっかりと手の軌跡を追ってみましょう。まず手だけ使う間違った動作を試してみて、次に腕全体を使う正しい動作をし、いい泳ぎと悪い泳ぎの違いを感じてください。
※実技指導はバルセロナ・オリンピックでアメリカ代表選手として活躍したロック・サントス氏。(写真右端)

+ 質疑応答 Q&A? +

Q.トレーニングプログラムを組む際、トレーニングカテゴリーを使ったほうがいいですか。
A.トレーニングカテゴリーを使ったほうがより多くのスイマーにマッチします。以前漫然とハードワークだけやっていた時、思ったほど効果が出ず、スイマーはどんどん悪くなりました。精神的にデリケートなスイマーの場合、できなかった時には落ち込んでしまいます。きちんと目標があるカテゴリートレーニングのほうが効率的です。

Q.高い強度と低い強度、どちらのトレーニングが重要ですか。
A.高い強度でトレーニングを行うと筋肉は改善されますが肺機能は改善されません。そこで両方のトレーニングをする必要がありますが、高い強度のトレーニングはやりすぎてはいけません。低い強度のトレーニングに60〜70%、高い強度のトレーニングに15〜20%、それ以外はリカバリーにあてるのがいいバランスです。

Q.背泳ぎのバサロを早く行うにあたってのポイントはなんですか。
A.2つのポイントがあります。1つはパワーをつけて力強いキックを行うこと。もう1つはアンダーウォーターキックをとにかく長く行うことです。深いプールで立った形でドルフィンキックを行えばパワーとスピードがつきます。20回/10秒で早くキックする感覚を覚えるドリルや、25mアンダーウォーターキックの練習なども有効です。

Q.ストロークレイトは同じテンポのほうがいいのですか。
A.それは目標によって違います。BPSを伸ばしたいならテンポを一定にして行ってください。ギアチェンジをしたいならテンポを上げていってください。

Q.スプリンターの陸上トレーニングはどうすればいいですか。
A.スプリンターには2タイプのトレーニングが必要です。1タイプは筋肉をつけパワーをつけるトレーニング。もう1タイプは筋肉を早く動かすスピードをつけるトレーニングです。ウエイトトレーニングをやりすぎた筋肉は水泳に応用されないので気をつけてください。ボディビルダーのような筋肉を作ってはいけないのです。

Q.キックの重要性についてはいかがお考えですか。
A.優れた選手はよいストロークとよいキックの両方を行っています。推進力におけるキックの割合は15〜20%だと思います。キックとプルはバランスよく行うことが必要です。先天的にキックがうまい子であれば、キックを重要視する必要はありません。この子はどうもという場合はキックのトレーニングに時間を費やしてください。


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