◎「循環器系疾患者のためのアクアビクス」


▲アクアビクス前にむくみをチェック
 ハートレートモニターを使って、アクアビクス中の心拍数の変動を見ますと、波長が不安定で変動も大きいことから、心肺・循環機能の向上やトレーニングには向いていますが、循環器系疾患の改善プログラムとしては、何らかの工夫が必要です。
 たとえば動きが寸断されるプログラムは心拍数や血圧の急激な変化を誘因させてしまう危険があるため、好ましくありません。そこで今回は、動きや流れが止まらないプログラミング法として、「フリーストリーム法」を紹介します。動きのパターンを組み合わせるのではなく、動き続けながら自然に動作を変化させていくもので、「太極拳に似ている」と言えばイメージしやすいでしょう。
 ジャンプなど上下動の激しい動きや、りきむ動き、急激なターンやキック動作なども避け、レベルキープ(頭を上下させず、重心位置を変えずに動く)のゆっくりしたペースでのプログラム作りを心がけます。もし高血圧の方が通常のクラスに参加なさる場合には、上手に手を抜いて「楽」なペースを守るよう、声かけをしてあげてください。
 アクアビクスによって体内の気の循環、水分循環、血液循環の改善効果が期待できると言われています。
 酸素が身体の隅々にまで取り入れられることで酸素循環、血液循環が良くなることから、プログラムに呼吸法を取り入れるのも良いでしょう。
浮き棒を利用して水平に浮いた状態で、ピラティスと同様の呼吸法(吸うときは胸郭呼吸、吐くときは3層の腹筋の奥から順に引き締めるように3段階で吐く)を意識しながら、身体を伸ばしたり縮めたり、左右にくねらせたり、ひねったりします。横隔膜の刺激にもなりますから、呼吸量を増やす効果も期待できます。
「ふくらはぎのむくみが気になる」という3人の脚を測り、1時間のアクアビクス後にどれぐらいの変化があるか見たところ、最高で2cm、少ない人でも約1cmのむくみ改善が見られました。


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