シンポジウム
「人気プログラムにする秘訣」

シンポジスト/尾陰由美子氏((有)アクトスペース企画代表取締役社長)
岡本 正一氏(SHOWカンパニーBe−Up代表)・村上 理香氏(Selena Company取締役)

コーディネーター/澁谷 俊一((社)日本スイミングクラブ協会事務局長)

流行は創り出していくもの

司会:お気に入りのプログラムは?
岡本:水の中での格闘技プログラムに力を注いでいます。最初、お客さんに格闘技の動きに慣れてもらうまでは、インストラクターが死ぬほど動く必要があったのですが、慣れてくると、ラクになりました。このプログラムは高齢の女性にも人気で、パンチ、キックの他、声を出すこともストレス解消になると思います。
尾陰:リスクを抱えている方を対象としたプログラムを1年位前から有料で始めました。確かなものをきちんと効果に導きながらやり続けたおかげで、口コミで人々に伝わり、確実な成果につながっています。参加者にデータをフィードバックしたところ非常に喜ばれましたので、単に運動指導するだけでなく、その前後も含めたものを商品として考える必要があると思います。
村上:今気に入っているのは姿勢調整のプログラムです。これは、能力的にはフリーインストラクターに劣るスタッフレベルの人でも、器具を使うことで十分指導できます。器具はますます重要になると思います。これから展開したいのはヨガを取り入れたプログラムです。流行りは創り出していくものだと思います。
司会:格闘技やラテンダンスを実践していなくても、それを取り入れたプログラムの指導はできますか?
岡本:かっこよく見せるコツとポイントがあります。格闘技の特徴をきちんと押さえれば大丈夫です。
尾陰:ボクシングそのものを水中でやってもうまくいきません。その要素とか雰囲気をどう演出するかが重要です。
村上:ラテンの動きはきちんとマスターする必要があります。同じ動作を延々と練習するとできるようになります。

啓蒙活動も重要

司会:事故防止の方法は?
岡本:必ず早めにプールサイドに行って、一人ひとり観察したり様子を聞いたりします。時間がとれない時は出席をとる時にそれを行います。それから終わった後に、いろいろな啓蒙活動をしています。自分自身で健康を管理する能力を身につけてもらうための情報を1分でまとめて話しています。
尾陰:有料クラスはデータ管理をしています。しかし数字だけではわからないこともあるので様子を聞いています。サービスプログラムの場合は、レッスン中に「今しんどい人は今から休んでください」とこまめに言っています。プールに入る前に啓蒙活動をしています。
村上:クラブ側で緊急システムを用意していると思いますが、それが本当にきちんとできるかどうか、それが一番重要なことだと思います。スタッフやアルバイトの子たちにきちんと伝わっているかどうか確認が必要です。それから暗くないか、すべりやすくないかなどハード面のチェックもしています。

心と身体の調和が重要

司会:アクア系プログラムの展望は?
岡本:アクアビクスと水泳の間の溝を埋めていくプログラムをスイマーと協力して創り出したいです。
尾陰:これまでは身体的な部分からプログラムをとらえがちでしたが、これからは心と体をどう調和させるかが重要になると思います。
村上:ショートプログラムは、新しいお客をプールに来させることができるので、これからも続くでしょう。
司会:集客のために心がけていることは?
岡本:太陽のようなあったかい存在であるために、「疲れないこと」をいつも心がけています。
尾陰:日常的な自分と非日常的な自分とを使い分けています。指導者として2面性を持っていたいと思っています。
村上:集客力のある人には「華」があります。個性を生かし、すべての客に同じように接することが大事です。


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