8月13日(金)「学科」


「水中運動処方論I」 浦 由之氏
 運動処方とは、個人の目的および能力に応じた運動プログラムを作成し、提供することである。その必要条件として、まず第一に安全であること、そして効果が上がること、楽しめること、継続できることの4点が挙げられる。
 完全かつ効果的に運動を行うためには、運動開始前に基礎的な調査とメディカルチェック(体格検査→問診→一般健康診断→運動負荷検査)を行う必要がある。メディカルチェックの結果、運動が可能であれば、次に体力測定を行い、各自に合った運動種目・運動時間・運動強度・実施頻度を決定して、運動処方箋を作成する。頻度に関しては一般的に、週1回の運動の実施ではなかなか効果は見られず、週2回の運動で現状を維持する程度、週3回で効果が認められると言われている。
 
「水中運動の科学I」 大方 孝氏
 安全で効果的な水中運動を行うためには、「浮力・水圧・抵抗・水温」の4つの水の物理的特性について、十分に理解しておく必要がある。
 水中では浮力により下肢にかかる荷重が軽減され、水深が恥骨部の場合は荷重負荷が80%、剣状突起部では30%と、水深によって免荷率は変化する。
 水圧は水深1mごとに0.1気圧加わり、水圧の影響によって静脈還流の増大、心拍数の減少、血圧の降下、呼吸筋への介助作用等の効果が期待できる。
 水の抵抗はおよそ投射性面積に比例し、速度の2乗に比例する。陸上と同じ姿勢・速度の場合、水中の体は約28倍の抵抗を受ける。また抵抗によって、大きな筋力を発揮せずに関節を動かし、可動域を拡大できるのも、水中運動の特徴の1つである。
 
「水中プログラムの作成と指導法I」 大方 孝氏
 水中運動健康法の4つのプログラムは、(1)アクアウォーキング(2)ウォーター・レジスタンス・エクササイズ(3)アクアストレッチ&アクアリラクゼーション(4)アクアマッサージ。
 小さい可動域から大きい可動域へ、小さい筋肉から大きな筋肉へ、抵抗の少ない動きから大きな動きへ、という流れを守る事が運動のポイントである。運動強度は、軽く息が弾み、会話ができる程度の「にこにこペース」を守ること。指導上の留意点としては、(1)十分なウォーミングアップとストレッチング(2)超高齢者、低体力者、身長の高低によって水深を調節(3)肥満、筋力不足、内科的疾患、整形外科的疾患等のある人の把握(4)プログラムの目的・意味を説明D楽しく手軽に、誰でもできて効果が上がる内容を選定(5)高齢者への理解などが挙げられる。
 
8/13「学科」 8/13・18「実技・指導実習」

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